土地なしで家づくりを進める場合、土地を購入しての建築となります。その土地購入ですが、それに付随する費用が意外とかかってきます。
今回は、家づくりで土地購入をする場合の費用を大きく4つに分けて説明します。
・仲介手数料
・登記費用
・固定資産税清算金、印紙代
・押さえておきたい “つなぎ融資利息”
建築会社も決まり、気に入った土地も見つかった!
その物件は、〇△市の60坪南向き、物件価格は1000万円。周辺環境もよさそうだし・・ここに決めた。
いざ、土地購入へ! …
でも、土地を購入するときには、土地価格以外にも色々と費用が掛かってくるらしい・・
購入時にかかるその他の諸費用っていったい何があるのだろう?
さて今回は、価格1000万円の土地を購入した場合の諸費用をお伝えしたいと思います。
結論から言うと、ズバリその金額は ¥71万6,548円 チャリーン♪ なかなかの金額ですね。
内訳はこちらです。
- 仲介手数料 39万6千円
- 登記費用 概算 15万円
- 固定資産税清算金と印紙代 5万5137円
- つなぎ融資利息 14万548円
主に上記の4つが、今回の土地購入時にかかる諸費になります。
ちなみに、計算は分かり易くするために、下記の条件とします。
- 物件価格1000万円 仲介手数料は満額
- 固定資産税 10万円/年 土地決済・所有権移転日 7月2日
- つなぎ融資を利用 借入金額1000万円×180日 利息年利2.85%
それでは、この4つに分けた費用を順に追って説明していきます。
さて、一般の流通物件で土地を購入した場合、大きな諸費用となるのが不動産の仲介業者に支払う “仲介手数料” です。物件価格1000万円ならまだしも、数千万円になる物件も珍しくありません。そして、この仲介手数料は土地の価格が高ければ高いほど高額になってきます。
今回は、1000万円土地購入にかかる仲介手数料がいくらになるのか計算したいと思います。
それが↓こちらになります。
今回の仲介手数料の計算式 1000万×3%+6万円=36万円+消費税
つまり、1000万円の場合 36万円+消費税3万6千円の39万6,000円 が仲介手数料になります。(上限)
※但し、取引額200万円以下の計算式は、物件価格×5%、200万円以上400万円以下は、物件価格×4%+2万円これに消費税が加わります。(上限)
仲介手数料ってそもそもに何?
不動産売買において仲介手数料とは、仲介不動産業者が売主と買主の間を取り持ち、取引が成立した場合にその対価として“売主・買主からもらえる”料金です。※宅建業法で、詳細に決められていますが今回は割愛いたします。
土地購入は、私たち庶民にとっては一生に一度経験するかどうか。馴染がないですよね。「間に入っただけなのに高額な料金を取るなんて!!」と思うかもしれません。しかし、仲介業者には不動産という高額な取引を、トラブルなく安全に行う義務があります。広告や土地決済はもちろん “周辺の所有者との境界の確認” や “越境物がないか、あった場合の隣家との承諾や覚書の手配”なども不動産仲介業者の仕事です。逆にいうと、上記の仕事をしない仲介業者であれば、その業者と取引をするのはやめた方がいいでしょう。トラブルの元になります。
売主から直接物件を購入することは可能?
もちろん、仲介業者を通さずに、直接売主から物件を購入することも可能です。しかし “代金を支払ったのに物件を引渡してくれない” “実際の面積と登記簿の面積が大きく違っていた” なんてことになったら大変です。不動産売買などの経験がない場合は、後々のトラブルやリスクを避けるためにも専門家に任せた方が良いでしょう。また、融資が通りにくくなる場合もありますので注意しましょう。
仲介手数料は交渉可能?
仲介手数料の値下げ交渉はできるのでしょうか?結論から言いますと「可能」です。宅建業法上の仲介手数料はあくまで上限が決まっているだけです。それよりも安くする分には規定はありません。では、交渉したら安くなるかというと・・・物件や業者によります。人気の土地で購入希望者が多数いる場合は難しいでしょう。一般的な仲介業者の収入はこの仲介手数料のみです。業者からしてみると、手数料を満額払ってくれない客より、払ってくれる人に買って欲しいですよね。特に大手の不動産仲介業者などは、正直難しいです。しかし、不人気の土地や、競合する物件が多数あれば、仲介業者も手数料収入を減額してでも取引を成立させたい場合があるかも知れません。そのような場合は交渉してみる価値はあるかも知れません。
物件自体の値下げ交渉は、仲介手数料の値交渉よりしやすい?
仲介手数料の値下げよりも期待できるのは、物件価格の値交渉です。例えば、仲介手数料39万6千円を10万円値下げするのは、収入を手数料に頼る仲介業者にとっては大きな損失です。しかし、1000万円の土地を10万円値引きするのはどうでしょう?仲介業社にとっては、仲介料がマイナス3300円になるだけです。もしそれで購入してくれるなら、仲介業者の営業マンも売主との交渉をがんばってくれるでしょう。もちろんこの場合は、売主が10万円値引きするか、物件を他の人売るかの選択になります。
不動産の売買には、所有権移転などの手続きが必要になってきます。その際に発生するのが、登記の費用です。これは土地の権利である所有権を売主から買主へ移す行為です。一般的には司法書士が行うのですが、この時に費用が発生します。所有権移転の費用は慣例で、買主がその費用を負担します。
では、実際にいくら位かかるのかと言うと。1000万円の土地の場合、おおむね15万円前後の費用になります。もちろん、物件価格や評価額によりますが、目安として頭に置いておきましょう。
他にも、地目変更の登記が必要な場合や、建替えの場合でも、改めて測量が必要になることもあるので注意しましょう。ちなみに、地目の変更や測量などは、土地家屋調査士に依頼となります。
次に、金額的には少額ですが、固定資産税の清算金や印紙代も発生します。固定資産税清算金とは、その土地の固定資産税を “所有権移転の日を境に、売主と買主のそれぞれで折版して払いましょう” という内容になります。費用は、その土地にかかる固定資産税と所有権移転の日によります。
例えば、土地の固定資産税が年間10万円で売主から買い主に7月2日に引き渡された場合。
1月1日~7月1日 の182日分 10万円×182日÷365=49,863円が売主負担
7月2日~12月31日の183日分 10万円×183日÷365=50,137円が買主負担
となります。
契約書の印紙代は、原本2通作成、売買金額1000万円で買主の負担分は5千円となります。
家づくりの土地購入で見逃しがちなのが、このつなぎ融資利息になります。土地を全額現金で購入する場合は関係ありませんが、多くの場合は融資を利用するケースが多いと思います。この時利用するのが“つなぎ融資”になります。
一般的に住宅ローンは、家が完成してから借りられます。つまり、まだ家がたっていない土地購入時は住宅ローンが利用できません。ですので、別の融資を利用して土地を購入します。これがつなぎ融資です。
つなぎ融資は住宅ローンではないので、金利が住宅ローンより高いです。H銀行の場合は年利2.85%です。それを土地購入時から住宅ローンが実行されるまでの間で利用します。例えば、つなぎ融資の利用金額が1000万円 、利用期間が180日後の場合
1000万円×2.85% ×180日÷365=14万548円
となります。
ちなみに、銀行によっては土地・建物で住宅ローンを分ける“2本立て”ができる場合もあります。登記費用は余分にかかりますが “建物の完成までが長期になる場合” “つなぎ融資額が数千万円になる場合” は利息の金額も高額になるので、検討してみるのも良いでしょう。詳しくは、住宅営業マンに相談してみましょう。
家づくりでは、土地を購入時にも様々な費用がかります。そして、物件価格が高額になれば、その分費用も高くなります。 “土地にお金をかけすぎて、希望の家にならない” “諸費用を計算に入れていなく、外構ができない” 等にならない様、改めて自身の家づくり計画をチェックしましょう。そして、住宅営業マンと密に相談しながら、失敗しない家づくりを進めていきましょう。