家づくりを始めたいけれど、たくさん建築会社があってよくわからない・・。会社によって何がどう違うの?
何を基準に建築会社をを選んでいけばよいのだろう? 予算か!と言っても、いくら位かかるのかの見当もつかない。慎重に、ひとつづつ検討するか?・・そんな時間はない。迷走が始まりそう・・
さて、今回は建築会社・ハウスメーカー選びについて、その方法を答えいたします。
家づくりは一生に一度あるかないかの大きな買い物。
迷うのも当然ですし、どのように進めたら良いのか分からないことや、知らないこともあって当たり前です。ただし、何となく選んでしまって建ててから「失敗した」とならない様に、今回は建築会社のメーカー選定のポイントを解説していきます。
建築会社選びのポイントは“デザイン・性能・価格”この3点から、自分たちはどれが一番優先順位が高いのかを考えていくと整理がしやすいです。
もちろん、デザインもよくて、性能もよくて、価格も安いのが一番の理想ですが、そのような商品は現実には存在しません。無いものを探していても時間の無駄ですので、自分たちの妥協できるところと、できないところを家族で話し合っておきましょう。
憧れのデザインを一番にしても良いですし、建築してからランニングコストを抑えられる性能を優先しても良いです。また、予算の関係で“とにかく費用を抑えたい”といった場合もあるでしょう。
どれが正解というものはありません。自分たちの優先順位と、建築会社がマッチしていればそれが正解になります。つまり、施主と建築会社のミスマッチのをなくすことが失敗しないメーカー選びのポイントです。
大まかに“デザイン”と言っても“良いデザインor悪いデザイン”は人それぞれです。強いて言えば、デザイン優先の家は街並みを見てちょっと他とは違う家です。 他の家とは違う、“かっこいいなぁ・・” とか “かわいい!” と感じる家はデザインに力をいれた家と言えるでしょう。
また、内装も、どこかのホテルの様にモダンだったり、ナチュラル素材をふんだんに使用していたり。そのような普通の家とは見た目が違う建物は、デザイン性を優先した家になります。しかし、そこにはそれなりの費用はかかっています。
希望のデザインの家を建築するためには “建築会社の得意分野” と “設計の自由度” の確認が必要になります。と言うのも、建築会社には各社が培った其々のノウハウがあり、独自の工法と得意分野があります。
自分たちが希望するデザインの家が施工できない会社もありますので、その辺りはしっかりと営業マンに確認しましょう。できれば、施工事例などの写真を見せてもらって “この会社はなにが得意なのか” を知り、自分たちのイメージを伝え、差異がないか確認しましょう。
注意すべき点は、安く希望のデザインが叶う建築会社があったとしても、家の性能を犠牲にしている場合もあります。
家の性能は、ほとんどが目に見えません。断熱性能や耐震性能などを犠牲にしてでも、大開口のLDKや窓を設置するのを優先したい場合は良いかも知れませんが、日本の気候と自然災害の多さを考えると正直あまりお勧めはできません。
入居後に、寒すぎたり暑すぎたりして生活がしにくく、光熱費が異常に高額になったり、地震で損害を被り居住できない状況になってしまっては元も子もありません。
その辺りもしっかり家族と話し合い、優先順位を決めていきましょう。
家の性能とは、断熱性や気密性、また地震対策などを施して、建築してからのランニングコストを抑えたり、災害に備える家のことです。
デザインを優先して大開口の窓やリビングで耐震等級を下げることはしませんし、予算を抑えるために断熱性能を犠牲にすることもしません。あくまでも、建築してから数十年先をみて、ランニングコストを抑え安心して住める家づくりを目指します。
性能の高い家は、それなりの予算はかかります。しかし、住宅にかかる費用の割合は 建築費よりも、建築後のコストの方が高くなります。イメージとしては “海に浮かぶ氷山の一角が建築費”であり、水面下にある大きな氷山が“ランニングコスト”と言ったところでしょうか。
家の性能を優先させることは、ランニングコストを抑え、安全を買うための先行投資と考えれば悪くはないでしょう。実は、筆者自身の優先順位も、これが一番になります。
デメリットは、大きな開口部が取れなかったり、地震対策の為にプランの自由度がそれ程高くないこと。ですので、希望のデザインや間取プランとのミスマッチがある点は注意しましょう。
家づくり当初は、見た目や費用のことばかり考えがちになりますが、実は目に見えない部分がとても大切になります。
家づくりの優先順位を考える中で、一位を価格・予算とする場合も多くあります。
ここで言う“価格”は建物価格を安く抑えるということです。
良くあるのが、建築場所を駅近などの立地優先にして、デザインや性能は求めない事例です。駅近の土地はかなり高額になりますので、土地に予算の割合を多く振り分けるパターンですね。
他人から見ると、“土地は狭いし、見た目も普通だし、メンテナンス費用も掛かりそうな外壁を使っている”というようなデメリットが多くあるように見受けられます。
しかし、当事者の優先順位の一位が叶えられているのなら、施主は満足であり、正に “正解” の家づくりになります。
ローコストメーカーは費用が安いということで心配される時があります。主に性能面ですが、一定規模のハウスメーカーや工務店であれば、生活できないぐらいの安かろう悪かろうはそこまでないです。もちろん、ランニングコストやデザイン性、アフターメンテナンスは劣りますが、過度に心配する必要もありません。
しかし、相場より異常に安い建築会社、契約金や中間金などを急かしてくるような会社は要注意です。加え、都度値引きをしてきて契約を迫る会社も注意してください。そういった会社は、資金繰りが悪いか、これから悪くなり倒産する可能性もあります。安さだけを求めると、後々資産を失います。
ローコストメーカーが安いのは、デザインや性能にそれほど力を入れていないのと“選べる仕様が限られており、プランもある程度決まっている” ためコストを抑えられています。
プランと仕様があらかじめ決まっていると、人件費と工期の短縮が可能になり、結果として大きくコストカットをすることができます。資金の回転も速くなりますしね。
また、小さな工務店では大手ハウスメーカーの様な “宣伝広告費や営業費” が抑えられているので、割安に建築できます。もし、建物にそれほどこだわりがないという場合は、ローコストの建築会社が合っているでしょう。
さて、いかがだったでしょうか?建築会社・ハウスメーカー選びは、その前提として、自分たちがどこに満足感を得るのかを考え、優先順位をつけることが非常に大切になります。優先順位と建築会社がマッチしていれば、家づくりは成功に導かれるでしょう。
デザイン・性能・価格の全てを求めるのはNGです。一生に一度の高額な買い物。全て100点を求めたくなりますが、予算には限りがあります。
家の希望は人それぞれ、自分たちの希望とメーカーとの希望が合致すれば、満足感の高いライフスタイルを叶えることができるでしょう。