家づくりを考え始めたものの、土地と建物以外に色々と費用がかかるみたい・・。いったいどのような費用が、どのくらいかかってくるのか。
そもそも、家を建てる時に考えておくべき費用とはなんなのだろう・・うーん、心配。
さて、そんな心配を抱いている皆様にお答えいたします。
家づくりにかかる費用は、土地と建物の費用だけではありません。本当に多種多様な費用がかかってきます。
今回は、そんな家づくりにおいて、土地と建物以外にかかってくる費用を説明していきます。金額算出はあくまで概算ではありますが、是非目安としてお考えください。
家づくりの予算とは?
家づくりには数多くの費用が発生してきます。もちろん、メインは土地と建物の費用になりますが、実は土地と建物の金額だけでは家を建てることはできません。登記費用や火災保険、また融資を借りる際にも多くの費用がかかってきます。
そのような費用は一般的に、建築費用の1割程度発生すると言われます。
例えば、土地価格1500万円、建物本体+建物(付帯工事込)で2500万円で合計4000万円の計画とすると、その一割の400万円が別途費用として発生することになります。相当に大きい金額ですよね。
結果として、土地+建物で4000万の家を考えると、総体で4,400万円程の資金が必要になってきます。
もし、総体での予算を4000万円以内と考えていた場合は、土地か建物の金額を下げるしかありません。ですので、土地と建物以外の費用を考えずに、家づくりを進めると資金計画が成り立ちません。後々、理想の要望を取り入れた家を建てられなかったり、希望が叶えられなかったりする可能性がでてきます。
ですので、家づくりでは土地と建物以外にかかる費用も考えて建築を進めなければなりません。
この、土地・建物以外の費用も入れて予算を考えるのが“総体の資金計画”です。
「でも、知らないことも多いし、全てを把握しながら家づくりをするのは難しいそう・・」
このように思うかもしれません。
でも安心してください。全てを施主が考える必要はありません。
総体の資金計画は、建築会社の営業マンが夫々に合わせた “資金計画書” というものを作成してくれます。
その中には、諸費用や外構費用などの予算を入れて作成しているはずなので、それを見て家づくりを考えて行けば大丈夫です。反対に、総体の資金計画を作成してくれない会社や営業マンは注意が必要です。
しかし、全ての物事を建築会社や営業マンに任せっきりにするのは良くありません。「こんなはずではなかった」とならないように、ある程度皆さんの方でも全体像をつかんでおくのがベストです。
総体の資金計画を把握するメリットは、どこにどの予算を振り分けるのか、なにを取りやめるのか、または融資を増やすのか、などが見えてくるので家づくりの計画が立てやすくなります。
それでは、今回は仮に土地1500万円・建物2500万円(付帯工事含む)の合計4000万円の金額で、それにかかってくる諸費用の内訳を説明していきます。
と、いきたいところですが、建物本体にも“それに付随する付帯工事”というものがありますので、先ずはそちらを説明してから本題に入りたいと思います。
※この記事では金額はある程度大まかに計算していきますが、もし各項目でさらに詳しい詳細が知りたい場合は別記事をご覧ください。
本題に入る前に、先ず建物を希望の土地に建てるために、本体以外に発生する費用があるので、それをを説明していきます。
一般的に建物の “坪単価”や“建物本体価格” と言われる価格には給排水の工事や、土地に付随する工事費用は含まれていません。
なぜなら、それらの工事費用は地域や土地条件によって金額が大きく変わる費用だからです。
例えば、建物を建てて住むためには、上下水道を引き込んだり、地盤が弱い地層であれば、家が沈まないように地盤を固める工事が必要になります。高低差のある土地であれば、その処理をする費用も必要になりますね。
これらの工事は、建築地域や土地の状況によって大きく変動する為、建築会社では標準の本体価格や坪単価には入れていない場合が多いです。また照明工事なども個人により費用の振れ幅が大きいので、こちらも本体金額とは別にしている場合が多いです。
本体に含まれていない主な付帯工事(建物本体を建てるために必要になる工事)は下記の様になります。
- 道路からの給排水の工事
- 敷地内の給排水工事
- 地盤改良工事又は高低差がある場合の処理費用
- その他、土地に付随する費用
- 照明工事など
どうでしょう?建物本体に含まれない必要工事が意外とありますよね。特に注意したいのが、屋外給排水や地盤改良・高低差処の処理をする費用です。こちらの費用は、場合によっては100万円以上にもなりますので注意しておきましょう。
ちなみにこの記事では、これらの付帯工事をすべて含めて、建物金額を2500万円として説明していきます。
※建物に掛かってくる費用に関しては別記事にて記載してますので、そちらでご確認ください。記事リンクはこちら
お待たせしました。本題にはいります。
土地と建物以外にかかってくる主な費用は次のようになります。
・土地購入時の諸費用
・融資利用時の諸費用
・登記費用・火災保険
・外構工事
・カーテン・引越し費用
色々な費用がかかってきそうですね。
これらの費用が概ねどのぐらい発生してくるのか、項目ごとに見ていきましょう。
土地を購入する際には、その土地価格以外の諸費用がかかってきます。
- 仲介手数料
- 固定資産税清算金、印紙代
- 融資又は、つなぎ融資の費用
これらを加味すると、1500万円の土地で発生する諸費用は60万円~80万円程です。
例をあげて説明していきます。
例えば、土地価格1500万円で仲介手数料が発生する土地の場合。仲介手数料56万1千円がかかります。そして、固定資産税清算金や印紙代を加味すると約60万円位と言ったところでしょうか。
また、土地を現金で買わない場合は、融資を利用していきますよね。
ただし、一般的に住宅ローンというのは家が建って引渡し時に初めてお金が借りられます。そうなると住宅ローンが実行されるまでは住宅ローンとは別の融資である “つなぎ融資” というものを利用していきます。この際に、つなぎ融資の手数料や、つなぎ融資の利息の費用が発生します。※銀行によっては、つなぎ融資を利用できないため、分割で住宅ローンを実行する場合もあります。
仮に1500万円を土地を買ってから、住宅ローンが実行されるまでの間を180日間として、金利2.75%でつなぎ融資を借りた場合の利息は203,424円となります。今回はわかりやすい様に、つなぎ融資の費用はざっくり20万円とします。
他に、登記費用というものがかかりますがその費用は、別途で登記の項目でまとめます。
※ちなみに、もっと詳しい詳細を知りたいという方はこちらの記事で書いてあります。土地購入時の諸費用
仲介手数料や、つなぎ融資の費用を合わせると合計約80万円
住宅ローンを借りるにも費用がかかってきます。
最近は、住宅ローンを借りる諸費用を金利に上乗せする場合もありますが、一般的に住宅ローンを利用する際の諸費用は次のようになります。
◇金利に上乗せとは?☚“諸費用は少なくするので、今の金利に0.2%上乗せして貸します”のような商品
- 融資手数料
- 融資保証料
- 契約印紙代や、電子契約手数料など
融資手数料とは、融資の手続きの際に発生する費用になります。
様々な商品がありますが、例えば、借入額の〇〇%と言った商品の場合は次の計算になります。
例、 借入額4000万円の場合 × 2.2% = 880,000円
かなり大きい金額ですよね。
ただし、ローン商品により手数料を安く一律の固定として、3万円程度とする場合や、先ほどのように借入額の〇〇%とする場合もあります。手数料が3万円と88万円との差額は85万円です。
但し、借入手数料が高い場合は、借入時の金利が安い場合もあるので一概にどちらが良いかは判断が難しいところですが、費用のポイントとして覚えておきましょう。
こちらは、イメージとして、住宅ローンを借りた本人(債務者)がローンを返済できなくなり、お金を貸した金融機関側が損害を被る場合に、保証会社がその損害金を保証する際の保険料のようなものになります。ちょっとわかりにくいですが。。
ちなみに、保証会社が保証するといっても、融資先を保証するのであってローンを借りている本人が保証されるわけではありません。ローンが払えなくなった場合は、借入れた金融機関にではなく、この保証会社から請求がきたりします。
この保証料も、【保証料不要】などの金融機関や、先ほどと同様に【借入額の〇〇%】というような場合があります。また、費用は発生しないけれど、その分を金利に上乗せしている場合もあります。
最近は、保証料と手数料どちらか一方の費用のみの商品が多いですが、【保証料及び手数料ともに、借入額2.2%】とする商品は費用が高額になりますので気をつけましょう。
ちなみに、住宅ローンは借入時の諸費用だけでなく、金利の違いで返済総額も大きく違ってきます。
金利は、ライフプラン(生涯にわたる資金設計)の非常に重要なポイントになります。
住宅ローンの商品は、ネットサイトなどで簡単に比較できますので、自分たちのライフプランに合った商品を選定していきましょう。
また、融資に関しては分かりにくい場合も多々ありますので、信頼できる営業マンに相談しましょう。
他に数千円~数万円程度の諸費用として、印紙代や電子契約手数料があります。
一昔前の契約は、紙ベースで印紙代が数万円発生したりしていました。
しかし、現在は紙ベースの契約を廃止して、クラウド上での電子契約も増えています。その場合は印紙が不必要になるため印紙代はかかりません。代わりに、電子契約手数料として数千円程度が必要になります。
設定を、融資手数料は借入額の2.2%、保証料なし、印紙代一万円として約90万円
登記とは、“この土地はわたしのものです” “この土地に〇〇㎡の〇階建ての家をたてました” というような事柄を法務局というところにある”登記簿”に登録する際にかかる費用のことです。
土地所有権移転登記、保存登記、抵当権設定、表示登記・・・など色々ありますが、細かく覚えなくとも大丈夫です。
この登記費用は、主に融資借入額と不動産の評価額によって変わってきますが、概ね30万~40万前後が多い費用帯です。もちろん、一億円の家を1億円借りて建てた場合はもっとかかりますけどね。
住宅ローンを借りる際の条件として多くの融資先が、火災保険の付帯を条件としています。ですので、火災保険は必要最低限必要です。
ちなみに、この火災保険ですが、昔は30年間一括の付帯もできましたが、現在は5年ごとの更新になっています。ですので、火災保険料金は5年ごとに費用がかかってきますので注意しましょう。
火災保険費用としましては“地震保険”も入れて、10万円~15万円が相場といったところでしょうか。ちなみに、この火災保険ですが、建物金額や保険特約の内容によって大きく金額は変わります。
登記費用35万円、火災保険15万円として約50万円
家づくりの中でも思った以上に費用のかかるのが、外構工事です。
家だけ完成しても土と雑草だらけの外観では、せかっくのマイホームの満足感も下がりますよね。
少なくとも、駐車スペース部分のアスファルト施工はやりたいものです。
この記事を書いている時の相場ですと、車2台分のアスファルトで40万~50万円程度。それに、土地の境界を囲むミンチ石施工(細ながの長方形の石)や芝、加えカーポートなども入れていくと最低でも100万円~200万円程度はかかります。もちろん、更にRCの塀やウッドデッキも追加となると〇△◇万円になってきますので、希望の場合は先に予算として多めに考えておきましょう。
最低限のアスファルトとミンチ石と砂利とで100万円
まだまだあります。
家を建てると、今住んでいる賃貸の家具を処分したり、新しい家電も欲しくなりますよね。ですので、新しい家電や家具を希望する場合はその費用も考えておきましょう。
また、賃貸の退去費用や近隣挨拶の粗品など、こまごました出費もありますので、現金は少し多めに手もとに残しておくのがベストです。
ちなみに、家具家電は買い替えなくとも、引越やカーテンの費用は大多数の方は必要になりますので、今回はカーテンと引越しの費用を概算で諸費用に入れることとします。
目安ですが、カーテン工事は20万~30万円。引越は、同じ市町村内での引越として15万円~25万円が目安になります。
カーテン30万引っ越し20万の合計50万円
さて、色々と諸費用をみてきました。
たくさんの費用がありましたね。そして、結構な金額がかかってきました。
それでは内訳金額をみてみましょう。
・土地にかかる諸費用 80万円
・融資にかかる諸費用 90万円
・登記・火災保険 50万円
・最低限の外構工事 100万円
・カーテン、引っ越し 50万円
すべて合わせますと、370万円になります。非常に大きい金額ですね。
そうすると、土地1500万円+建物2500万円+諸費用と外構工事等でトータル4,370万円ということになります。
どうでしょうか? やはり土地と建物金額を合わせた額の“約1割程度”が必要になってきそうですね。
この諸費用を考えずに家づくりを進めると、後々大幅に予算オーバーとなり兼ねないので、家づくりを進める際には “総体でかかる費用を含めた資金計画” が大切になってきます。
あくまでも、諸費用はそれぞれの条件によって大きく変動していきます。
しかし、概ね土地と建物金額を合わせた額の約1割程度を諸費用に見込んでおくのが良いでしょう。
そして、もしこれらの費用以外のものを家づくりとして考えている場合は、営業マンに “〇〇を予定しているので〇〇万円を資金計画に入れておいて欲しい” と依頼しておきましょう。
いかがでしたか? 総体の資金計画は非常に大切です。
諸費用を考えずに家づくりを進めると費用がどんどん膨らみ、結果的に “こんなはずではなかったのに!” “希望の家づくりで大幅な妥協をするはめに・・” となりかねません。
そのようにならない為にも、この記事である程度の予算の感覚をもっておきましょう。
また、家づくりでは分からないことが沢山あります。経験豊富な営業マンでも、一度調べないとわからないことも多いです。
ですので “こんなこと聞いてもいいのかな?”と悩まずに、分からないことや心配なことがあれば、気軽に営業マンに相談していきましょう。
素敵な家づくりを応援しています。