建物の予算を考えていたけれど、どうやら建物本体価格だけでは家を建てることができないらしい。
水道を引き込んだり、排水工事をしたりするのは、本体以外のお金が必要らしい。
てっきり本体の金額だけで家が立つと思ってた・・。
じゃあ、建物本体以外に一体はどの様なものがあるのだろう・・?
さて、今回は建物にかかる“付帯工事”について説明したいと思います。
実は、メーカーや建築会社が出している“坪単価”や“建物本体価格”には、家を建てて住む際に必要な多くのものが入っていないのです。それは、あくまでも“建物”だけであって、生活するための水道や照明がない状態です。
では、建物にかかる付帯工事とは何なのでしょうか。
さて今回は、建物にかかる“付帯工事”について説明したいと思います。
そもそも “付帯工事”って何??と思う方も多いと思います。
付帯工事とは、家を建てる際にその家に住んで生活をできるようにする工事の事です。
例えば、水道を引いたり、照明を取付けたり、家の安全を保つために地盤改良工事をしたり、車が停められるように高低差を処理したり。
このような工事のことを付帯工事と言います。※メーカーによっては“オプション工事”という場合もあります。
チラシやパンフレットに出ている“本体価格”や、ネットで出ている“坪単価”で家が建つと思う方も多いと思います。しかし、実はそうではないのです。
皆さんは、坪単価という言葉を耳にしたことはありませんか?
坪単価は、建物の本体価格を延床で割った金額なのですが、これは大まかなメーカーの価格帯を知るためにネット上などでよく使われます。また、建物本体価格は“30坪のこの××プランだと本体〇〇〇万円です”というような使われ方をします。
先ほども言ったようにこの価格には、付帯工事は含まれていない場合が多いです。
そして、さらに注意すべき点があります。それは、各会社によってこの価格の中に “入っているものと、入っていいないもの” が大きく違います。
例えば、坪単価に暖房給湯などの設備や屋内給排水まで入れている会社もあれば、建物を安く見せるために本当の本体しか入れずに、多くの設備を入れていない会社もあります。聞いたところによると、暖房や給湯さえオプション工事になる会社もあります。
そうなると、初めは安いと考えていたのに、後々に多くの追加費用が発生し、結局相当な金額になってしまいます。
そうならないためにも、坪単価には何がはいっているか、いないのかは注意してくおく必要があります。
ではなぜ、建物本体価格や坪単価に給排水などの付帯工事を各社は入れないのでしょうか?初めから本体価格に付帯工事をいれて金額を出していれば、消費者にわかりやすくなると思いますよね。
でも実は、そこには理由があります。
それは、付帯工事の費用は地域や土地条件によって金額が大きく変わるからなのです。例えば、給排水を引き込む長さや、地盤改良が必要な土地もあれば、ない土地もあります。高低差のある土地であれば、その処理をする費用も必要になります。
ですので、建築会社ではこれらの工事を除いて、本体価格や坪単価としている場合が多いのです。また照明工事なども個人により費用の振れ幅が大きいので、こちらも本体金額とは別にしている場合が多いです。
さて、それらの付帯工事の種類はたくさんあります。
会社によっても、付帯工事になるのか、初めから本体価格に入れてあるのか違いが大きいところです。
ですので今回は、建物金額・坪単価には “躯体・基礎・暖房給湯や換気などの設備一式、標準仕様書” は入っているものとして考えていきます。
次の項目が、よくある付帯工事の一例になります。
・屋内給排水工事
・敷地内給排水工事
・道路から敷地から敷地までの水道工事
・地盤改良工事
・高低差処理費用
・照明工事
・希望するオプション工事
色々ありますが、これらは費用が多くかかる場合もありますし、全くかからない場合もあります。
主に土地の条件によることが多いです。中でも特に注意したいのが、給排水と地盤改良工事、又は高低差処理費用は金額的にも100万円以上となることもありますので注意しましょう。
さて次に、項目ごとに大まかな工事の内容を説明していきます。
給排水に関係する工事は、主に3つに分けられます
- 建物内の給排水工事
- 敷地内から建物への給排水工事
- 道路から敷地内への給排水工事
この中で、1と2は土地条件が変わっても金額の変動はそれ程大きくは無いです。土地条件で金額の差が大きいのが、3番の敷地の外から水道を敷地内に引込む工事になります。
というのも、工事は前面道路の水道管から敷地内に水道を引込みますが、この引込みをするために、道路を横断しての工事だったり、道路を通行止めして工事したりする場合もあります。そうすると多額の費用が発生します。反対に、まだ利用できる水道管が敷地内まで来てる場合は、それを流用できる場合もあるので費用が発生しない場合もあります。
水道管の状況は、土地契約の前にある程度把握はしておくのが良いので、営業マンに聞いてみましょう。
個人の判断で、周辺に建物が何もない土地や、山奥の土地を購入する際は、そもそも水道管や下水が近くまで来てない場合もあります。そうすると、引き込み等に数百万もかかる場合もありますので注意しましょう。
次に、一番思いもよらぬ費用になりやすいのが、高低差処理費用と地盤改良工事です。
高低差処理費用は、道路との高低差があったり、斜めになっている土地に家を建築する場合、土地に土を盛ったり削ったり、はたまた地面が崩れてこないようにコンクリートで壁をつくったり擁壁を造成する工事のことです。この金額は、道路と敷地との高低差があればあるほど高額になります。また、擁壁をつくる際には市町村に申請も必要になる場合もあります。
このような、大きな高低差がある土地は、価格も非常に安いですが、それに飛びついて購入してしまうと後々後悔しやすいです。
地盤改良工事とは、地盤に家を支える力が不足しているため、地盤を固めたり、杭などを打つ工事です。
怖いところは、高低差は目で見えますが、地盤は目に見えないというところです。ここも、安易に個人で判断せずに営業マンにきいてみてください。たいていは、近隣データーでどのくらいの費用がかるのかある程度教えてくれます。
ただしこれは、あくまでも近隣のデーターであり、実際にその土地で調査をしていないので、あくまでも目安として考えてください。
照明工事も一般的には坪単価、や標準仕様に含まれていません。
照明は、個人によってこだわりの振れ幅が大きいためです。
変動する金額は、給排水や地盤改良などに比べると、それ程大きくはありません。
延床30坪程度の家で概ね20万~30万程度が一般的ですが、もし間接照明や特殊な照明を考えている場合はもう少し予算を上げておきましょう。また、シーリングライトなどの照明器具は現在住んでいる家のものを再利用する場合もあります。もし、利用できれば費用の節約になります。
希望するオプション工事も標準仕様書に含まれていなければ、費用がかかってきます。
全くオプション無しで建てる人は非常に少ないです。
展示場やショールームなどで設備を見ると、やはり色々と何かしら追加したくなるものです。
例えば、“かっこいい、かわいい” クロスを選びたくなったり、タッチレス水栓や玄関ドアの鍵をスマートキーに変更する方も多いです。ちなみにこのオプション品ですが、坪単価や標準仕様の金額が高いハウスメーカーですと、初めから色々なものが標準仕様に入っていたりします。
反対に、安い建物のメーカーの場合は、標準仕様が少なく、多くのものがオプションになる場合が多いです。価格相応というところですが、メーカー選びの際は“標準仕様に入っているもの、いないもの”も概ね知っておきましょう。
安いからといって飛びつくと、殆どがオプションになり、結局高くつくことがないように気をつけてくださいね。
付帯工事、いかがでしたか?
建物を建てる際に付随する“付帯工事”は、家を建てる上で大きな支出になり得ます。
中でも“給排水・高低差処理・地盤改良工事”には多額の費用が掛かってきます。
ですので、それらを見込んで建物の予算考えて家づくりを進めていきましょう。